2024/1/19

算数の壁

お疲れ様です。洲脇です。
小学生の算数で難所の1つとされるのが「割合」です。
これを理解してもらうのに、なかなか骨が折れます。
その理由は式を作る段階で失敗してしまうことだと思います。
小学5年生にもなると小数の割り算ができるようになるので、
◎÷△でも△÷◎でも一応の答えが出せます。
どちらの答えが正解なのか、分からなくなり、結果的に正解率が50%になるわけです。
 
今回はどう教えるのがいいのか、自分の経験を踏まえて書いていこうと思います。
 
 
・そもそも公式を文章に置き換えるのが子どもには難しい。
 
こんな問題があります。
①2000㎡の公園の中に、100㎡の池があります。公園の広さにおける池の広さの割合は?
②電車の定員が400人で、乗車した人が500人。乗車した人の割合は?
③持っているお小遣いの0.5の割合を使って、1000円が残りました。最初に持っていたお小遣いは?
 
算数の教科書では「比べられる数÷もとにする数=割合」と書いていますが、子どもたちが①②の文章を読んで、Aは比べられる数で、Bがもとにする数、と割り振るのが難しいのです。公式を覚えたところで使えなければ意味がありません。
 
 こんなときは「もとにする数」の言い方を変えてみましょう。
・「もとにする数」=「全体」、「基準(1になる数)」
①の問題では「公園(2000㎡)」と「池(100㎡)」があります。
公園と池のどちらが全体(もとにする数)かはイメージしやすいですよね。
ここでは100÷2000が式になります。
②の問題では「定員(400人)」と「乗車した人(500人)」がいます。これは少しイメージが難しいかもしれません。ここでは「基準」という言葉に着目します。電車に乗れる人数の基準とは「定員」と「乗車した人」のどちらでしょうか。答えは「定員」です。はじめから決められている人数=基準が「定員」なのです。なので、500÷400が正しい式になるわけです。
③の問題は「もとにする数」を求める問題です。もともと持っていたお小遣い(?円)の0.5倍が1000円になると考えましょう。
数字を分かりやすいものに置き換えると式が作りやすくなります。
?円×0.5=1000円という式をいじってみましょう。
?円×2=6円
?の数は、と聞けば「3」と即答してくれます。「どうやって3を出した?」と質問すると「6÷2」と式も答えてくれます。
では、2⇒0.5と6⇒1000に戻すと、1000÷0.5と式が完成します。
 
 
ここまでの説明はやや大人向けのものでした。
小学生なら線分を使った説明を板書する方がウケが良いです。
難しい問題のほとんどが視覚的にイメージできないものなので、そういう場合は図や絵で考えてみましょう。